【景気のゆくえ】景気拡大の実感が乏しい長寿景気
2019年01月25日
山澤成康
(跡見学園女子大学教授)
(跡見学園女子大学教授)
2018年12月に内閣府で景気動向指数研究会が開催された。研究会では、現在の景気拡大期間がいざなぎ景気を抜いて戦後2番目の長さになったことを確認した。これは2017年8月までに景気の山を迎えていないことを意味しており、その先2018年12月まで景気拡大が続けば、戦後最長の景気拡大期となる。
しかし、景気拡大の実感があまりないという話を聞く。その理由のひとつは景気の拡大は強さによる判断ではなく、方向による判断だからだ。成長率に関わらず、景気動向指数の構成指数が上向きなら景気拡大期、下向きなら景気後退期となる。過去の景気拡大期との成長率の違いは大きい。それぞれの景気拡大期の出発点を100として景気拡大終了期の実質GDPの水準をみると、いざなぎ景気では167、バブル景気は125、2000
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