公益法人会計基準の大幅改正の論点
-正味財産増減計算書から活動計算書へ-

尾上選哉
(おのえ・えりや 日本大学教授)

はじめに

 2021(令和3)年3月19日、内閣府公益認定等委員会・公益法人の会計に関する研究会(以下、「会計研究会」という)は、「令和2年度公益法人の会計に関する諸課題の検討結果について」(以下、「令和2年度研究会報告」(注1)という)を公表し、「正味財産増減計算書」から「活動計算書」への名称変更、そしてその記載内容についての検討を行うことを明らかにし、現在、会計研究会での検討が進められている。
 本稿では本誌編集部の依頼もあり、令和2年度研究会報告や会計研究会の議事録(注2)などを参考にしながら、「活動計算書」に論点を絞って筆者の理解をまとめることとしたい。

Ⅰ 活動計算書に係る検討の経緯

 会計研究
                           

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