社会保険における月額報酬の変更手続
―定年再雇用の「同日得喪」とコロナの「特例改定」―

古川裕子
(ふるかわ・ひろこ 特定社会保険労務士)

はじめに

 社会保険(健康保険・厚生年金保険)の保険料は、被保険者各人の報酬を一定の幅(健康保険は第1級から第50級、厚生年金は1等級から32等級)で区分されている標準報酬月額を基に計算します。標準報酬月額は入社時に決定し(資格取得時決定という)、その後は、年に1回、現在の報酬と標準報酬月額とがかけ離れないように毎年見直しをします(定時決定という)。
 一方、昇給や手当が付くことにより一旦決められた標準報酬月額と現在の報酬との間に大きなズレが生じた場合、標準報酬月額の見直しのルールにより、現在の報酬に見合った標準報酬月額に改定することになります(随時改定という)。
 今般の新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言に伴う自粛要請等を契機として、休業に伴
                           

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