理事の任期は単純に2年?補欠役員も同じで大丈夫?
(わしざわ・かつえ 全国公益法人協会 相談室職員/公認会計士)
理事の任期は単純に2年?補欠役員も同じで大丈夫?
令和7年6月の定時評議員会で選任した理事について、令和9年の定時評議員会で改選を行う予定です。なお、定款には「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで」と定められています。ちなみに3月末決算の財団法人です。この場合、いつ任期満了となるのでしょうか。また、補欠で選任された役員についても、同じように考えてよいのでしょうか。
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定時総会等の終結時が基準。補欠は定款の確認を!
ご質問のケースであれば、通常は令和9年3月期に関する定時評議員会の終結時に任期満了となります。社団法人の場合も考え方は同じです(以下、本稿では定時評議員会、定時社員総会を「定時社員総会等」と記載します)。また、補欠役員については、通常選任と同じ任期になるとは限りません。法令上の原則と、自法人の定款で定める補欠役員の任期が一致しているかを確認する必要があります。
「定時社員総会等の終結時」で考える
実務では、「理事の任期は2年」「監事の任期は4年」と理解されることが多くありますが、法人法上の任期は、単純な年数だけで定められているわけではありません。理事については、原則として「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会又は定時評議員会の終結の時まで」と整理されます。監事についても同様に、「選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会又は定時評議員会の終結の時まで」と考えます。
したがって、任期満了時期を確認する際は、「選任日から何年経ったか」だけでなく、「どの事業年度に関する定時社員総会等で任期が終わるのか」を確認する必要があります。とくに、選任月と定時社員総会等の開催月が近い法人では、1年単位で誤解が生じやすいため注意が必要です。
「2年以内」の流れを具体的に確認する
例えば、ご質問のケースである3月決算の財団法人で、令和7年6月の定時評議員会において理事を選任した場合は、次のように整理できます。社団法人であれば、「定時評議員会」を「定時社員総会」と読み替えてください。
このため、「令和7年6月○日に選任されたから、令和9年6月○日まで」と日付だけで機械的に判断するのは適切ではありません。あくまで、事業年度と、その事業年度に関する定時社員総会等との関係で確認します。
なお、定款に「定時評議員会の終結の時まで」と記載されている財団法人では、その文言どおり定時評議員会の終結時で任期満了となります。
補欠役員は定款の確認が欠かせない
任期途中で退任した理事や監事の後任として、補欠役員を選任することがあります。この場合も、「新しく選任したのだから、そこから通常どおり2年又は4年」と考えると誤るおそれがあります。法令上は、補欠として選任された場合であっても、通常の任期を前提に考えるのが原則です。
一方で、実務上は、定款に「補欠として選任された役員の任期は、前任者の任期の満了する時までとする」といった規定を置いている法人も多く散見されます。このような定款規定がある場合、補欠役員は前任者の残任期間を引き継ぐことになります。任期を誤認すると、改選時期や変更登記の時期を誤る原因となるため、選任議案を準備する段階で、必ず定款の補欠規定を確認しておきたいところです。
また、定款上「補欠」として選任したのか、単に欠員補充として新たに選任したのかによって、議案の表現や任期の整理が異なる場合があります。議事録や選任議案では、前任者の氏名、退任日、新任者の就任日、任期の満了予定時期を一体で確認できるようにしておくと、後日の登記や役員名簿の管理がしやすくなります。
増員・重任・登記との関係も整理する
理事や監事を増員する場合も、任期の整理が必要です。新たに選任された役員の任期を既存役員とそろえる規定があるのか、それとも通常任期で考えるのかは、定款の定め方によって異なります。
また、任期満了により同じ人を再度選任する場合には、いわゆる重任の登記が必要となります。反対に、まだ任期中であるにもかかわらず、改選が必要だと誤解しているケースもあり得ます。役員名簿には、選任年月日だけでなく、選任した機関、任期満了予定時期、登記の要否をあわせて記録しておくと実務上管理しやすくなります。ここでいう「選任した機関」は、社団法人では社員総会、財団法人では評議員会です。
法人類型によって機関名は異なりますが、任期満了時期を「選任後○年以内に終了する事業年度」と「その事業年度に関する定時社員総会等の終結時」から確認するという基本構造は共通しています。
国税専門官としての実地調査、監査法人での財務諸表監査、地方自治体の包括外部監査に従事した経験を活かし、相談室の事務局業務及び相談対応を担当。日本公認会計士協会では、非営利法人委員会公益法人専門部会専門委員、公会計委員会公会計制度専門部会専門委員等を歴任。
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