Excel活用法 第5回 卓上ネームプレートの作成方法

宛先だけ変わるような文書の効率的な作成方法

第5回「卓上ネームプレートの作成方法」

 

1 概要

 今回は卓上ネームプレートの作成方法をご紹介いたします。

 

 会議や委員会など卓上ネームプレートを作成される機会は多いかと思います。

 

 法人によって使っているものは様々あると思いますが、当協会で使っている以下のサイズに適合させる前提で説明させていただきます。サイズ調整等は皆様でお願いいたします。

 

【カード立てL型、H 76mm × W 200mm】

 

 なお作成方法としては、これまでご紹介したvlookup関数と[スピンボタン]の組み合わせを少し応用した方法になります。

 

 

2 作成手順

(内容はサンプルです)

 

① 完成イメージは次のとおりです。

 

 A4用紙に2枚作成できるようにします。真ん中から切り、それぞれ二つ折りにすることででき上がります(表示側:所属・役職・氏名、手前側:氏名+様)。

 

 

② [Sheet1]に次のような一覧を作成します。

 

③ [Sheet2]に①のように様式を作成しますが、文字部分は全てvlookup関数等が入力されます。

 

 文字の向きですが、列A~Cの部分を[セルの書式設定]→[配置]で次のように設定します。

 

 

 

 

 

 

 列Dの部分を[セルの書式設定]→[配置]で次のように設定します。

 

 

 

 

 

④ [スピンボタン]部分の設定として、セルJ1に“1”を入力したのち、①のように[スピンボタン]を表示します。

 

[スピンボタン]の上で右クリック→[コントロールの書式設定]をクリックすると次のダイアログボックスが表示されますので【最小値→1、変化の増分→2、リンクするセル→J1】とし、[OK]ボタンを押します。変化の増分を“2”とするのがポイントです。

 

 

⑤ “岩手一郎”部分に次の数式を入力します。

 

【検索値→J1、範囲→[Sheet1]のセルA2からセルD9まで、列番号→4】とします。

 

 

 なお、検索値J1は絶対参照にします。これは数式を別のセルにコピーした際、ずれないようにするためです。

 

 数式バーの“J1”の部分で[F4]キーを1回押します。すると“$J$1”に変化します。これが絶対参照です([F4]キーを2回押すと“J$1”で行が固定に、3回押すと“$J1”で列が固定に、4回押すと“J1”に戻ります)。

 

⑥ “会 長”の部分に次の数式を入力しますが、⑤のセルをコピーし、数式を貼り付ける方法が簡単です。

 

  貼り付ける際、貼り付けるセルの上で右クリックすると次の項目が出ますので、赤○部分をクリックします。

 

  その後、数式バーで列番号の部分だけを4→3に修正します。

 

 

⑦ “(一社)岩手県○○協会”の部分も同じ要領で数式を入れます。

  列番号を“2”に修正します。

 

 

⑧ “岩手一郎様”の部分は“岩手一郎”のセルと文字列“様”を繋げれば良いので次の数式を入力します。

 

 

⑨ “盛岡二郎”の部分は次の数式を入力します。

 

 検索値を“$J$1+1”としているのがポイントです。これによって左側が1のときは2に、3のときは4というようになります。

 

⑩ 以下“副会長”、“(一社)岩手県○○協会”には⑥・⑦と同じ要領で数式を入れ、“盛岡二郎様”には⑧と同じ要領で数式を入れます。

 

⑪ 最後に[印刷範囲の設定]をして完成です(この例ではセルA2からI3まで)。

 

 [スピンボタン]の▲をクリックすると1→3となり、[Sheet1]の一覧のナンバー3・4が表示されます。

 

 

 次回は宛名ラベルの作成方法について説明したいと思います。

 

3 日々のExcel作業で使える小技集

その6)簡単に数式入力する方法

 

 数式を入力する際、通常は最初に“=”を入力しますが、“+”でも数式として認識されます。

 

なお“+”から入力した場合、例えば【=+sum(A1:A4)】のように“=”の後に“+”が入りますが、計算上影響はありません。

 

ご覧いただきありがとうございました。

 

(金田一/一般社団法人岩手県建設業協会)