ファンドレイジングとは①

公益法人・一般法人の担当者は、業務上、一度でも「ファンドレイジング」という言葉を訊いたことがあると思います。

 

しかし、ファンドレイジングについて具体的に話せる方、積極的に自団体で活動を行っている方はまだまだ少ないようです。

 

そこで、認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会 認定ファンドレイザー東北チャプター共同代表の山﨑庸貴氏に「ファンドレイジング」について取材した内容を全9回に分けて紹介していきます!

 

(訊き手 全国公益法人協会 浦邉智紀)

 


山﨑 庸貴

 

 

一般財団法人ふくしま百年基金代表理事

認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会

認定ファンドレイザー/認定講師/東北チャプター共同代表

 

Q 「ファンドレイジング」とは何か?

一般的にファンドレイジングを最初にお目にかかるのは、「資金調達」。

いかに寄付を集めるか、助成金をどうやって獲得するのか、事業収入をどうやって上げていくかというテーマで最初にファンドレイジングに接すると思うが、ファンドレイジングの本質は、「どうやって社会に変化を生み出していくのか」を考えていくこと。

 

公益・一般法人の方々も何某かしか社会に対する課題感を持って、その課題を何とか克服して、自分たちが理想と思う社会を作っていく。

そういう活動で取り組まれていると思うが、それが集約していけば、「社会に変化を生み出していく。今の社会構造の中のどの部分、どうい変化を動かしていくのか。それを考え抜くことである。」

また、日本ファンドレイジング協会では、社会に変化を生み出していく活動と定義している。ファンドレイジングに取り組んでいく過程は、単に資金を集めていくというよりは、社会にどうやって変化を生み出していくのかということを考え抜いていき、その先に初めてそこに資金が付いてくる。

 

各法人の事業のミッションを達成し社会に還元し、最終的に資金調達につながっていくのですね。

ミッションがあって初めてそこに資金が付いてくるので、ミッションベースドマネジメントという言い方をしますが、ミッションに基づいて、いかにその法人を運営していくのかが大切になってきます。

 

ー法人のミッションに対して、階層(役員や職員)ごとに責任感が違ってきますが、そのような温度差を、どのようにしてミッションに対する質を高めていくのが課題になってくると思います。

 

創業メンバーや理事、理事長、トップクラスの方々の認識、温度感と途中から入って来た方、ボランティアさん、それぞれ温度感が違う。

 

いろいろなやり方をそれぞれの団体さんが行っているかと思いますが、僕が思うのは、「トップが背中をみせていくこと」だと思うんですね。

 

ミッションに基づいて、一つ一つの行動をとっていく、意思決定をしていく。

 

そういう中で、自分たちのミッションはここなんだな。ここを目指している。というのがおぼろげに見えてくる。

 

トップが背中をみせていくことは、組織にミッションを浸透させていく1番のやり方なのではないかと思います。

 

例えば、マザーハウスというバッグ屋さんをご存知でしょうか?

 

バングラデシュや発展途上国で日本の市場で売れるくらいブランド力の高いバッグを作っています。

 

発展途上国の貧困解消であったり、社会的な格差の是正を図っていくんだというミッションで活動している株式会社さんです。

 

ここの代表・デザイナーは、まさに「トップが背中をみせる。」ことを実践している。

 

山口さんが作るバッグ、山口さんがブログで発信すること、講演で話すことがずっと変わらず一本筋があり、真のぶれない話をずっとしているので、途中からの社員もバッグを作っている職人もみんなが、山口さんが描くビジョンについてくる。

トップの姿勢の見せ方がミッションを浸透させていくと思います。

 

認定ファンドレイザー 山﨑庸貴氏 プロフィール

一般財団法人ふくしま百年基金 代表理事

認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会

認定ファンドレイザー/認定講師/東北チャプター共同代表

 

福島県会津若松市出身・在住。東北学院大学教養学部卒業、筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了。経営学修士(MBA)。

 

学生時代を捧げた国際交流NPOの活動を通じて、NPOの「経営」に関心を持つ。外資系経営コンサルティング会社にて人材・組織マネジメントを専門としたコンサルティングに従事の後、NPOの組織診断や調査等を実施する中間支援NPOにて研鑽を積む。その後、個人事務所を立ち上げ、NPOの組織開発や人材育成、プロジェクトマネジメント支援、ワークショップ企画・運営等に携わる。

 

2011年に発生した東日本大震災・福島第一原発事故を契機に、故郷・ふくしまへUターン。復興支援で活躍するNPOのネットワークづくり、活動コーディネート、経営支援等に奔走する。

 

夢は「ふくしまを社会課題解決先進地にする」。

 

≪参考資料≫

(一財)ふくしま百年基金についてPDF

(一財)ふくしま百年基金 2018年活動報告PDF

 

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