自己チェックシートと備置き書類一覧の活用法
―自律的ガバナンスを高めるために―
2026年07月31日
前田昂平
(まえだ・こうへい 公認会計士・税理士)
Summary 令和7年度の新公益法人制度では、法人の自主性を尊重し事後チェックを行う「点検調査」が導入された。その中核を担うのが「自己チェックシート」と「備置き書類一覧」である。これらは単なる提出書類ではなく、日常業務を整え自律的なガバナンスを高めるための重要なツールだ。シートの具体的な記載例や制度改正に伴う新たな設置要件を自法人の状況に照らして検証し、判断に迷う点は備考欄を通じて行政庁との対話に活かす。さらに、一覧表の色分け等から複雑な経過措置や新規書類の備え置きに確実に対応することが、今後の円滑な法人運営と信頼獲得へとつながる。 (まえだ・こうへい 公認会計士・税理士)
Ⅰ 「点検調査」で求められる実務対応
令和7年度(2025年度)から、新しい公益法人制度が始まりました。この改正では、財務規律が柔軟になり、行政手続も簡素化されました。公益法人がこれまで以上に、自由で機動的に事業を展開できるようになっています。もっとも、自由度が高まることは、裏を返せば、法人自身がより一層の「自律的なガバナンス」と「透明性」を備えていることが前提になります。「事前に細かく審査する」代わりに「法人の自主性を尊重し、事後に重点的にチェックする」これが、新制度における行政庁の監督の基本的な考え方です。この「事後の重点的なチェック」を具体化したのが、立入検査の運用の見直しです。新制度では、立入検査が大きく「点検調査」と「重点検査」の2つに整理されました。「重点検査」は、具体的な監督処分等の必要性の判断を念頭に置いて、随時行う立入検査です。
一方、本稿のテーマである「点検調査」は、特段の問題が見当たらない多くの法人を対象に、概ね10年以内を目途に実施されます。法人自身の自己点検を起点として、行政庁との対話を中心に行われるのが特
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