【解説】正しい役員等の変更登記(上)
2018年11月29日
中野千恵子
(なかの・ちえこ 司法書士)
(なかの・ちえこ 司法書士)
- CATEGORY
- 法人運営・変更登記
- 対 象
- 公益法人・一般法人
目 次
- はじめに
- どういった場合に変更の登記が必要となるのか
- 改選による役員等の変更登記
- 改選となる役員等の確認
- 任期途中で辞任又は増員した役員等がいた場合
- 事業年度の途中で選任された役員等の任期満了
- 役員等の変更登記に必要な書類
- 理事、監事、評議員に準備してもらう書類
- 代表理事に準備してもらう書類
- その他の書類(議事録)
- その他の書類(定款)
- おわりに
はじめに
本稿は、理事、監事、評議員(以下、「役員等」という。)及び会計監査人について必要な登記、特に、改選期における定時社員総会又は定時評議員会の終結後に必要な役員等の変更登記について、(上)(下) 2 回に分けて解説する。本稿(上)では、役員等の変更登記に必要な書類等の総論について解説する。役員等の変更登記において、特に質問が多いのが、「押印は実印か認印か」「印鑑証明書は必要か」といったことであるが、それについてもケースごとに解説を行っていく。
なお、理事会非設置の一般社団法人については、本誌の読者に該当する法人はないと思われるため割愛した。
また、公益社団法人・公益財団法人についても、一般社団法人・一般財団法人と同様に一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「一般法人法」という。)及び一般社団法人等登記規則が適用され、登録免許税が非課税であることを除けば、登記手続については「一般社団法人・一般財団法人」と同じであるので、本稿では「一般社団法人・一般財団法人」を「公益社団法人・公益財団法人」と読み替えてご参照いただきたい。
どういった場合に変更の登記が必要となるのか
一般社団法人及び一般財団法人については、次の事項を登記しなければならず(一般法人法301条、302条)、これらの事項に変更が生じた場合は、変更の時から2 週間以内に主たる事務所の所在地を管轄する法務局へ、変更の登記を申請しなければならない(一般法人法303条)。一般社団(財団)法人の登記事項(一般法人法301条)
❶ 目的
❷ 名称
❸ 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所
⑥ 代表理事の氏名及び住所
❼ 理事会設置一般社団法人であるときは、その旨(財団法人の場合は登記事項でない)❽ 監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名(財団法人の場合は登記事項でない)❾ 会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称⑩ 一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
⓫ 役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め
⓬ 非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め⑬ 公告方法を「官報」又は「日刊新聞紙」と定めた場合に、貸借対照表の内容を電磁的方
❷ 名称
❸ 主たる事務所及び従たる事務所の所在場所
❹ 一般社団法人の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
⑤ 理事の氏名(財団法人の場合は理事に加えて評議員及び監事の氏名が加わる)⑥ 代表理事の氏名及び住所
❼ 理事会設置一般社団法人であるときは、その旨(財団法人の場合は登記事項でない)❽ 監事設置一般社団法人であるときは、その旨及び監事の氏名(財団法人の場合は登記事項でない)❾ 会計監査人設置一般社団法人であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称⑩ 一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
⓫ 役員等の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め
⓬ 非業務執行理事等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め⑬ 公告方法を「官報」又は「日刊新聞紙」と定めた場合に、貸借対照表の内容を電磁的方
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