[44]第4部 NPO法人制度の誕生⑨

公益法人制度の変遷と今後の課題
渋谷幸夫
(全国公益法人協会特別顧問)

Ⅷ NPO法人の合併

1 合併の意義・種類

 NPO法人は、他のNPO法人と合併することができる(法33条)。合併により、事業の強化、新規事業の追加、効率化、不振な事業の整理が行われる。合併には、 2 つの類型があり、 1 つは吸収合併であり、もう 1 つは新設合併である。吸収合併とは、 1 つの法人が存続して他の法人はその存続法人に吸収されて消滅(解散)する場合であり、新設合併とは、合併するすべての法人が消滅(解散)して新たな法人が誕生する場合をいう。吸収合併や新設合併の場合も、消滅するNPO法人は解散することになる(法31条 1 項5 号)。しかし、消滅法人の権利義務は、合併後の法人にすべて継承されるので(法38条)、解散に伴う清算の手続は不要である。
                           

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