【非営利組織のファンドレイジング戦略】第29回 ファンドレイジング戦略=特殊なマーケティング戦略(その2)

堀田和宏
(近畿大学名誉教授)
(承前)

Ⅱ ファンドレイジング戦略は資金調達ポートフォリオの一部である

 一般に非営利組織は各種取り混ぜた収入源に依存している。その収入源には政府助成金、政府契約による収入、財団助成金、個人や会社の寄附金、会費、関連事業の料金収入、補助事業(非関連事業)収入、資産・投資配当、金融機関借入れなどがあり、寄附金は非営利組織にとってその存在の正当性を証とする本質的な独自の収入源ではあるが多くの収入源のなかのひとつにすぎない。
 したがって、営利組織では資金の獲得はもっぱら販売戦略が中心であるが、これに対して、非営利組織は多様な収入と現物寄附を含む所得源の組合せ戦略――収入ポートフォリオ戦略が中心となる。つまり、特に非営利組織は財務の健全性・安定性を確保し、併せて組
                           

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