【非営利組織のファンドレイジング戦略】第26回 ICTファンドレイジング手法の効用と問題点(その1)

堀田和宏
(近畿大学名誉教授)

はじめに

 災害などへの寄附を除いて多くの場合、人は寄附をする機会を積極的に探すのではなく、寄附を求める組織の勧誘に応えるものである。したがって、寄附行動には何らかの積極的な動因があるとしても、寄附行動を喚起する誘因が契機となって、動因と誘因が適合することにより初めて寄附をしようという意思が生まれ、人は寄附するという行動に至る。
 実は、マーケティング論や社会学の調査研究では勧誘を受ける数と慈善活動とは強く関係しているとして、大多数の寄附行動は勧誘によって引き起こされるとしている。寄附は最終的に(言葉に出さなくても)「頼まなければ」貰えない。人は頼まれなければ寄附しないものである。
 したがって、ファンドレイジング戦
                           

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