第18回 ▼ 非営利組織の特性(その14)
2021年08月26日
堀田和宏
(ほった・かずひろ 近畿大学名誉教授)
(ほった・かずひろ 近畿大学名誉教授)
(承前)
第5章 非営利組織行動に関する多様な視点
2 組織の異種同型化
かつては政府、営利、非営利の各セクターは棲み分けて共存しているとする議論が盛んであったが、このような組織の構造と行動の異質性に対して、むしろ今日では、資源依存理論や情況適合理論から、環境への合理的・効率的適応の結果として、セクター間の境界が不透明になり、非営利組織の構造と行動は他のセクターの組織と混合、相似、ハイブリッド化しているとする議論が多く見受けられる。また、特に社会学の立場の制度論からは、非営利組織はある組織フィールド(ある特定の組織をとりまくステークホルダーの全体で構成される環境)におけるその存在の正当性を確保しようとして、政府組織や営利企業に収斂(れん)するという「異種同
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