第20回 ▼ 非営利組織の特性(その16)

堀田和宏
(近畿大学名誉教授)

(承前)
 第5章 非営利組織行動に関する多様な視点 

3 異種同型化論の限界

 前回(本誌2021年10月1日号)の新制度理論の主張を理解することで、少なくとも指摘できることは、制度形態(法律形態)はたしかに組織間のある相違を創り出すが、それが創る相違は当該組織フィールドの制度的・生態的な構造に依存するという点である。生物学でいう「収斂(れん)進化」―種類が違っても暮らす場所が同じであると、生物はときに似た姿形に進化する―と同じことが起こる。
 つまり、非営利形態の政府形態や営利形態への同型化、あるいはこれらの制度形態の組織行動の収斂化よりも、むしろ非営利組織と他のセクターの組織は同じニッチ(生態位置)では同じ行動をし、組織行動は収斂するということである。要するに
                           

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