電帳法の直前対策 ─義務化はこれだけ!─

笠田朋宏
(かさだ・ともひろ 公認会計士・税理士)
 

Ⅰ はじめに

 電子帳簿保存法は、1998年に施行された法律である。しかし、20年以上の間、実務に取り入れられていなかった経緯があった。それは、適用要件のハードルが高く、費用対効果の意味でもあまり良いとは言えなかったためであろう。
 そして今般、我が国のDXやITを利用した経理業務発達に鑑み、2024年 1 月から一部義務化によって本格的な電子帳簿保存法が導入されることになり、各法人は電子帳簿保存法への対応が迫られている。
 この点につき、どの部分に対応が必須なのか、あるいは緩和されたのか、また、対応不要なのか、不安に思われている法人もあろう。そこで本稿では、最低限理解しておきたい制度概要、義務化される電子取引の要件を示し、紙

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