【シリーズ 次世代の民間公益活動と資金調達】最終回 地域に興る草の根財団

小林立明
(こばやし・たつあき (一社)日本公共政策研究機構主任研究員)

4回にわたって非営利分野の資金調達のニューフロンティアを紹介していくこのシリーズ。最終回は、これまでになかった成立ちのコミュニティ財団を紹介する。

市民参加型助成財団の可能性

 これまで、海外の民間非営利・公益セクターの新たな資金調達の現状を見てきた。民間非営利・公益セクターの社会的企業化に伴い、「フィランソロピーのニューフロンティア」が台頭した結果、オンライン寄附や企業との協働を軸とする寄附拡大戦略や、社会的投資を軸とする事業拡大戦略などが、民間非営利・公益セクターの新たな資金調達手法として発展した現状が明らかになったと思う。
 では、社会的企業化とは、直接、関わりのない助成財団の資金調達はどうだろうか。従来、助成財団は、企業や資産家が拠出した基本財産の運用収入
                           

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