実務担当者が知っておきたい裁決・判決に学ぶ租税実務[48]役員等の海外渡航費に対する課税

永島公孝
(税理士) 

Ⅰ 役員の海外出張の判例

 前回は現物給与課税について、社員の慰安旅行の判決をみてきました。
 今回は、会社の役員、使用人が海外出張に行った場合の税法上の問題について解説していきます。役員の海外渡航費に対する課税について、国税不服審判所は昭和45年10月7日裁決で次のように判断しています。
【昭和45年10月7日 国税不服審判所判決】
<事実の概要>
 請求人は、玩具を扱う国内法人です。代表者は、中南米諸国の海外渡航費用1,026,700円のうち、滞在費約496,200円の半分248,100円を自己負担とし、経費を否認、それ以外の費用約778,600円を損金として計上しました。しかし、原処分庁は、損金計上した778,600円のうち265,250円(
                           

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