実務担当者が知っておきたい裁決・判決に学ぶ租税実務[54]退職と同視しうる「特別な事実関係」

はじめに

 前回ご紹介した判例(最高裁昭和58年9月9日第二小法廷判決〔民集37巻7号962頁〕)は、退職所得について判断したリーディングケースと解釈されています。
 今回も退職所得をめぐる判例をご紹介して、退職所得について解説していきます。

Ⅰ 「特別な事実関係」があるときは退職所得

 誌面の都合上、事案の詳細は割愛しますが、昭和58年12月6日第三小法廷での最高裁の判決(判例時報1106号61頁)は、前回の最高裁昭和58年9月9日第二小法廷の判決において明らかとなった退職所得の3つの判断基準を引用した上で、更に「これらの性質を有する給与」の判断につき、次のような特別な事実関係がある場合は退職所得に該当する
                           

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