第11回非営利組織の特性(その7)

堀田和宏
(近畿大学名誉教授)

(承前)
 第3章 非営利組織の性質 

4 供給する財・サービスの公益性

 非営利組織は私的に管理される実体であるが、公益性があると見做されるある種の社会的目的に奉仕するために存在する。利潤を最大にする必要もなく、過半数の人たちの期待や欲求を満たす必要もなく、自ら宣誓したミッションの達成を求めて活動する。むろん利潤を創出するが、それは組織のビジョンとミッションの宣誓で表明したなんらかの公益性のある社会的目的を達成するためである。
 そうだとすると、非営利組織の供給する財・サービスにそもそも公益性があるとはどういう意味なのか、それは何なのかについて明確に理解することが必要で、その理解によって初めて非営利組織の特質が分明になるはずである。
 ところが、
                           

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