公益・一般法人の適正な給与水準― 国税庁「令和元年分『民間給与実態統計調査』」から考える

上松公雄
(うえまつ・きみお 大原大学院大学准教授・税理士・全国公益法人協会特別研究員)
 
近年、重要な政策として掲げられている「女性の活躍促進」「雇用の促進」「賃上げ」などの視点から、令和元年分の「民間給与実態統計調査―調査結果報告―」を分析する。また、その分析結果を参考に、公益・一般法人における給与支給額の適正水準を検討する。

はじめに

 毎年、国税庁より「民間給与実態統計調査-調査結果報告-」(以下、「本資料」という。)が公表されており、令和元年分が令和2 年9月に公表された。この統計は平成20年分の調査から基幹統計とされ、給与水準に関する有用な資料となっている。その重要性、有用性を鑑み、本誌においても継続して本資料を基に考察を行っている。
 本稿においては、まず、基本的、総体的な数値、割合を確認して、その推移、傾向について整理する。近年において
                           

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